愛猫体験から学んだ猫の介護から看取りまで|心の整理法

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介護猫

猫との暮らしは、日々の生活に多大な安らぎと幸福感をもたらしてくれます。

しかし、一方で元気に駆け回っていた愛らしい猫も、年を重ねるごとに体力が衰えたり、病気にかかることは避けられません。

健康な時期とは異なり、介護が必要な猫には特別なケアと注意が必要になってきます。

私の愛猫であった「ひな」は、まだ6歳という若さで、突然肢体不自由という状態に見舞われ、さらには全盲にもなってしまいました。

老齢によるものではなかったですが、この不意の出来事によって、私たちは日常生活が大きく変わる介護の道を歩み始めたのです。

介護を通しての時間は決して楽ではありませんが、その中で見いだすことができる喜びや感謝の気持ちは、言葉では言い表せないほどのものでした。

この記事では、まず私自身が経験した具体的な出来事を基に、どのようにして日々を乗り越えてきたかをお話しします。

その後、同じような状況に立ち向かっている飼い主の方々が少しでもラクになれるような、猫の介護や病気と闘う猫のために役立つ情報を提供します。

「ひな」と共に過ごした特別な時間を振り返りながら、同じ境遇にいる皆様のお役に立てればと心から願っています。

目次

猫の介護のはじまり:「ひな」の物語

病の始まりの日

ある日、「ひな」は妙な声で泣いていました。

急いで様子を見に行くと、ひなは後ろ足を思うように動かせず、その状況に戸惑っていました。

「立てないよー」と言わんばかりに、後ろ足の不調を訴えて泣いていたのです。

病気の診断と治療の壁

その後、急いで獣医師を訪れると、思いがけない診断が下されました。

彼女の脊髄には原因不明の神経損傷があり、手術を受けたとしても回復の見込みは薄いとのことでした。

獣医師

ひなちゃんの前足は健康です。きっと前足だけで元気に動き回ることができるでしょう。でも動かなくなった後ろ足は時間と共に硬くなるので、少しずつ家で歩行訓練を試みてください。
立てることへの望みはまだありますから頑張ってください!

暗い絶望感のなか、希望を持ち続けることが大切だという先生の言葉に心が救われました。

家でのリハビリと介護の始まり

「ひな」は二本の前足を使ってなんとか食事や水を摂ることはできましたが、これまで普通に出来ていた猫用トイレでの排せつができなくなりました。

介護の必要性を痛感し、ここから、「ひな」と私の新たな生活が始まりました。

私は獣医師から圧迫排尿の技術を学び、それを済ませた後、仕事に向かう毎日が続きました。

四畳半の畳部屋にはトイレシートが整然と敷き詰められ、私は仕事から帰ると、時にはひなが尿や便で汚れていることもありました。

「ひな」は長毛種のペルシャ猫(チンチラ)で、その美しいふさふさの毛皮はこうした時に少し問題を生じさせました。

おしり拭きシートでは足りず、浴室での洗浄が必要でした。

みや

ひなのためならエンヤコラ~♪って歌いながらシャンプーしてました。

長毛は下の世話がやりづらいので、ふさふさだった毛を自己流でカットしてます。このときはもう全盲になってます。

慣れない日々の試行錯誤と視力喪失

介護生活に慣れるまでの最初の頃は、私たちは試行錯誤の連続でしたが、やがてスムーズになった頃、新たな試練が訪れました。

ひなが視力を失ったのです。

獣医師からは「彼女はもう光を感じることもできない状態です」と告げられ、私は愕然としました。

彼女は前足を頼りに部屋を移動しましたが、しばしば壁や家具にぶつかっていました。

しかし、そんな困難な状況の中でもひなは変化を見せ始めました。

不思議なことに、彼女はいつの間にか障害物を回避できるようになっていたのです。

まるで猫のひげが特別な力を持っているかのように、彼女はひげで周囲を感じ取っているようでした。

それでも、全盲となってからは少しずつ運動量が減り、食事量も減り、ほとんど寝ていることが多くなりました。

ひなの最期の日と私たちの絆

そしてついに、その日は訪れました。

偶然にもその日は仕事が休みで、私は一日中ひなのそばにいることができました。

「今日はやけに寝息が荒いなぁ」と嫌な予感を感じていた、と思っていたその時に、突然全身が痙攣を起こし始めたのです。

「な、なに!た、大変!!いったいどうしたの?!ひなー!!」と必死になった私はひなを抱えて急いで病院へ向かいましたが、数時間後に彼女は静かに虹の橋を渡りました。

ひなは我が家に迎えて9年目の大切な、大切な家族でした。

3年間の介護は決して容易ではありませんでしたが、彼女と過ごした日々は何ものにも代えがたいものでした。

ひなとの強い絆は私の心に深く刻まれ、永遠に消えることはありません。

彼女は私にとってかけがいのない子でした。

ありがとう、ひな。あなたとの思い出は一生の宝物です。


「ひなの物語」に最後までおつきあいいただきありがとうございました。

長寿化が進むペットたち。ペットの介護は飼い主にとって重要な課題となっています。

介護に直面したとき、私の経験を踏まえたお話が役に立つかどうかは分かりませんが、参考になれば嬉しいです。

猫の介護における重要ポイント

栄養と水分の提供の工夫

高齢猫や病気の猫にとって、食事と水分の管理は健康維持の基盤となります。

食事の摂り方
  • 噛む力の弱い猫ちゃんには細かくカットされたものやペースト状の食材
  • 食事を人肌程度に温めることで、香りが引き立ち、食欲をそそる
  • ウェットフードを取り入れて、水分摂取量を増やす
水の管理
  • 新鮮な水を用意し、定期的に交換する
  • 猫が流れる水を好む場合には、「ウォーターファウンテン」などの使用を検討
みや

猫ちゃんの脱水のリスクを減らすためにも、水の管理にも細心の注意を払いましょうね。

サポートを必要とする排せつ

腹部圧迫による排せつのサポート方法

高齢や病気により、自力で排せつが難しくなった猫ちゃんのためには、飼い主のサポートが必要です。

一つの方法として、腹部圧迫を挙げることができます。

方法は、両手で猫の腹部を優しく圧迫しながら、前後に動かして排せつを助けます。とくに便秘や排尿障害がある場合に効果的です。

腹部圧迫の注意点

強く押しすぎると内臓を傷つける恐れがあるため、力加減に注意してください。

また、排せつが困難な場合は獣医師に相談すると安心です。

慣れてくれば、猫の状態を見ながら適切な力を加減することができるようになります。

みや

私自身も当初は力加減に戸惑いましたが、何度か試みて成功すると、次第にコツを掴むことができました。

快適な環境づくり

猫のベッドの配置

高齢や病気の猫にとって、快適な環境は健康維持に不可欠です。

ベッドは柔らかさや暖かさに加え、自分の力で容易に出入りできるよう低い位置に置くことが理想です。

室温管理

寒さや暑さから猫を守るために、エアコンやヒーターを適切に使用しましょう

みや

夏は27度設定にして一日中フル回転。
冬は寝床の下に猫用ヒーターマットを低温モードで敷いてました。

早期発見のための日常的な健康チェック

日常的な健康チェックの方法

日常的に猫の健康状態をチェックすることは、病気の早期発見に直結します。

健康チェック
  • 体温測定(38度台が正常範囲
  • 呼吸(異常音や深く速すぎないか)
  • 目の状態(白濁や涙、目やにが多くないか)
みや

これらのチェックを日常的に行い、異常を感じたら、早めに獣医師に相談しましょう。

運動能力の維持

歩行が困難になった猫ちゃんに、歩行補助具を使用することで自由に動き回ることができるようサポートすることができます。

これにより、猫の運動能力を維持しつつ、精神的なストレスも軽減することが可能です。

猫と飼い主のメンタルケア

ストレスと上手に付き合う

猫を介護することは、飼い主にとって大きな心身の負担となることがあります。

飼い主がストレスを感じていると、家族や猫にもその影響が及ぶことになります。

介護生活であっても、極力リラックスできる時間を確保して、趣味や運動を取り入れるなど、ストレスとの上手な付き合い方を見つけましょう。

みや

介護疲れを解消するためには、適度な休息を取って心身を休ませてあげてくださいね。

周囲のサポートを活用する

自分ひとりで全てを抱え込むのではなく、家族や友人、専門家のアドバイスを取り入れてみましょう。

信頼できる獣医師と連携を持つことも大切で、定期的な健康チェック、そしてアドバイスを頂いたらそれを検討して取り入れてみる。

判断が難しい場合は一人で悩まず、周囲の人に相談してみる。話を聞いてもらえるだけでも気持ちが楽になることもあります。

周囲のサポートを活用することは重要なことだと思います。それが安心感となり心に余裕が生まれます。

心に余裕を持たせ、愛猫との時間をより楽しく過ごしてください。

看取った後の心の整理

愛猫ひなを失った悲しみはしばらく続きました。

和室に敷き詰めたシート、ひなの食器等を片づけながら気持ちの整理をしていました。

  • 一緒に過ごした思い出
  • ひなを失った悲しみ・さびしさ
  • 介護生活からの解放感

いろいろ入り混じった感情が沸き上がってきては涙が止まらない日々を過ごしましたが、そういう感情と向き合うのも大切なことです。

自分自身の心が回復するまで時間がかかりましたが、やはり猫が大好きなので、また保護猫「あめ」を迎えいれ、楽しく暮らしています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

高齢や病気で介護が必要になった愛猫との時間は、飼い主にとって大変な反面、とても貴重な時間でもあります。

この貴重な時間は、日々のケアを通じて、愛猫との絆が深まり、たくさんの思い出が増えていきます。

愛猫が少しでも快適に過ごせるよう、無理せず、自分自身も大切にしながらサポートしてあげてください。

飼い主の愛情と努力は、確実に愛猫に伝わり、安心して毎日を過ごしているでしょう。

また、最期を看取った後は、深い悲しみや寂しさがこみ上げてきますが、そういった感情に向き合うこともとても大切な時間です。

自分のペースで、ゆっくり心の回復を待ちましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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